ACCA(英国勅許公認会計士)試験の難易度はどの程度?

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日本人にとって、ACCAという資格は知名度も低く、あまり馴染みがありません。調べてみればわかりますが、アメリカの公認会計士資格(USCPA)の方が圧倒的に情報を得やすいですが、ACCAはなんとなく分かりずらく敬遠されがちです。

ACCAという資格は、忙しく働きながら取得できるようにデザインされている資格で、世界中のほとんどの受験者が社会人としてフルタイムで働きながら取得を目指しています。

ここでは、ACCAという資格のレベル感や、各科目の合格率などを紹介します。

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ACCA資格の考え方

ACCAの資格制度は、資格取得までの勉強や取得後のキャリアアップを重視している資格のため、「落とす試験」ではなく、会計士として最低限必要な知識や応用力を試すための、「スタート地点に立たせる試験」となります。

この考え方はUSCPAとも共通しており、両試験とも合格率が比較的高いのが特徴で、試験自体が難しすぎて受験者のほとんどが合格できない日本の資格試験制度とは大きく異なる点になります。

ACCA試験のレベル

ACCA試験のUSCPA試験との大きな違いは、科目数です。USCPAの受験科目数は4科目のみに対し、ACCAでは13科目に合格しなければなりません。

しかし、13科目全てが難易度の高い科目ではなく、むしろほとんどの科目が仕事の合間に3ヶ月から半年勉強すれば合格できます。なぜなら、ACCA試験では同じような内容が複数の科目に重複して出題範囲となっており、受験生が段階的に知識を習得できるように考えられています。

例えば、ACCAの基礎科目であるFA(Financial Accounting)とFR(Financial Reporting)、そして専門科目のSBR(Strategic Business Reporting)は内容が多く被っており、FAが基礎の基礎、FRが基礎、SBRが応用というようなイメージです。

FAが簿記2.5級、FRが簿記2級、SBRが簿記1.5級というレベル感になると思います。

そのため、USCPAのように1年や2年の短期集中で合格を目指すというようなスピード感はなく、日本公認会計士のように1科目すら合格することが困難ということもありません。

ACCAでは、幅広い知識を一段ずつ習得しながら、その過程に会計士資格の合格があり、その後のキャリアアップへと繋がっていきます。

ACCA試験における英語のレベルは、こちらの記事をご覧ください。

ACCA試験の合格率

ACCA試験直近5回分の合格率抜粋です。ACCAの発表では、2007年分から見ることができます。

試験区分BTMAFA
Sep 2020867277
Mar 2020N/AN/AN/A
Dec 201982*64*71*
Sep 2019N/AN/AN/A
Jun 201985*66*72*
Applied Knowledge試験合格率(単位:%)(*PBEとCBE合計の合格率)
試験区分LWPMTXFRAAFM
Sep 2020883949504152
Mar 2020N/A3546443644
Dec 201983*38*49*46*38*43*
Sep 2019N/A41*51*46*36*50*
Jun 201984*38*52*50*39*46*
Applied Skills試験合格率(単位:%)(*PBEとCBE合計の合格率)
試験区分SBLSBRAFMAPMATXAAA
Sep 202051*49*37*33*38*33*
Mar 202047*51*33*32*44*33*
Dec 2019464833333530
Sep 2019495236313636
Jun 2019514838334331
Strategic Professional試験合格率(単位:%)(*PBEとCBE合計の合格率)

このように、科目ごとに見ても決して難易度が高いわけでなく、応用専門科目(Strategic professional)でも30%程度の合格率で推移しています。

参考までに、以下はUSCPAの直近2年分の結果になります。

試験区分FARAUDBECREG
2020 3Q55.6756.8969.8966.12
2020 2Q62.8665.2976.9275.97
2020 1Q46.3747.9761.7655.42
2019 4Q47.8855.8958.6140.57
2019 3Q51.9458.4163.0450.29
2019 2Q55.1158.6659.7449.37
2019 1Q48.550.2358.0044.43
(単位:%)

2020年の2Qから合格率が跳ね上がっていますが、アメリカ国外での試験が中止になったり、本当に合格できる自信のある人だけが受けたりと、試験の難易度以外の要素も関わってくると思いますが、例年どの科目も50%前後で推移しています。

しかし、この合格率はアメリカ人を含む全ての受験者の合格率で、日本人のみの合格率は20%〜30%と言われています。

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