USCPA取得に必要な学習時間はあちこちで解説されていますが、ACCA取得に必要な学習時間はあまり見つかりません。
事前の知識や経験、環境によって差は出てきますが、ここでは一般的にどの程度の学習時間が必要なのかをお話します。
ACCAが発表している学習時間
少し古い情報ですが、下記のACCAが発表している学習時間の目安(こちらからダウンロード)は以下の通りです。
また、F1やP1などは、以前の科目表記で、現在は別の表記が用いられています。まだ古い表記を使用している情報もあるので、以下に対応表を作成しました。
科目名 | 現行表記 | 旧表記 |
---|---|---|
Business and Technology | BT | F1 |
Management Accounting | MA | F2 |
Financial Accounting | FA | F3 |
Corporate and Business Law | LW | F4 |
Performance Management | PM | F5 |
Taxation | TX | F6 |
Financial Reporting | FR | F7 |
Audit and Assurance | AA | F8 |
Financial Management | FM | F9 |
Strategic Business Leader | SBL | P1&P3 |
Strategic Business Reporting | SBR | P2 |
Advanced Financial Management | AFM | P4 |
Advanced Performance Management | APM | P5 |
Advanced Taxation | ATX | P6 |
Advanced Audit and Assurance | AAA | P7 |
ACCAは、各科目300時間〜400時間、全科目合格までに5300時間としています。(ただし5300時間には、14科目分の学習時間が含まれています。)
一般的に、USCPAを取得するには約1500時間程度、日本公認会計士は約4000時間の勉強が必要と言われています。資格取得にかかる時間としては、日本公認会計士よりも勉強時間が必要なように見えます。上記の目安では、1科目の試験範囲を網羅的にしっかりと学習して、必ず合格するだろうという学習時間になっています。そのため、実際にここまで勉強しなければ合格しないかというと、そうではありません。
実際に必要な学習時間
ACCA試験は1科目50点で合格の試験のため、試験範囲全体を細部まで詳細に学習する必要はありません。合格点を取るという意味であれば、上記の約半分の時間が目安になります。
そのため、13科目合格までに合計で2450時間が必要という計算になります。科目免除を受けられたり、Knowledge ModuleやSkills Moduleで前提知識があると、さらに短縮されることになります。
ACCAの試験は科目が細分化されており、1科目あたりの難易度が低く設定されています。また科目ごとに相互関連性があるため、一度勉強した内容が無駄になることがありません。そのため、1科目にかかる労力は、他の会計士試験ほど大きくありません。
受験スケジュール
ACCAでは、1回の試験ごとに最大4科目受験でき、年間で異なる科目を最大8科目まで受験できます。
そのため、1日の全てを勉強に充てられる方は、最短1年半で全科目合格することができます。ただしこれは極論になりますので、ここでは前提知識がなく、13科目受験する受験生を前提としてお話しします。
1科目の学習時間を200時間とすると、1日2時間勉強して100日かかる計算になります。ACCA試験は3ヶ月ごとに実施されているため、週末プラス1時間勉強すれば、3ヶ月で200時間は確保できます。
Knowledge Moduleの3科目を同時並行で勉強して2回の試験で合格し、その後1科目ずつ着実に合格していく戦略であれば、全科目合格までに12回受験、つまり3年(36ヶ月)かかる計算になります。
働きながら学習を続け、3年で全科目合格であれば、決して途方もない時間ではないと思います。
コメント