映画「ザ・コンサルタント」で会計士としての働き方を知ろう

今回はちょっとした勉強の息抜きに、会計士の働き方を題材にした映画「ザ・コンサルタント（原題：THE ACCOUNTANT）」を紹介します。

現在ACCAやUSCPAなどの会計士を目指して勉強中の方、検討している方にとっても、会計士としての働き方の参考になると思います。

あらすじ

※ネタバレがありますので、ご注意ください。

クリスチャン・ウルフは、小さな町のマッチョで自閉症な会計士として働いており、ある日リビング・ロボティクス社から財務調査の依頼を受けます。

使途不明金を見つけたと言う経理の女性、デイナ・カミングスから説明を受け、膨大な会計記録を受け取ります。通常だと数人で数ヶ月かかる作業ですが、クリスチャンは一晩で使途不明金の存在を突き止めます。

ところがその夜、リビング・ロボティクス社のCFOであるエド・チルトンの突然死し、クリスチャンの財務調査依頼は打ち切られてしまいます。

その後クリスティンは何者かに襲撃され、あっさり返り討ちにしますが、調査に関わっていたデイナも命を狙われていることを知ります。クリスチャンは何者かに襲われているデイナを助け出し、身を潜めます。

クリスチャンとデイナは、リビング・ロボティクス社の重役たちが会社の利益を不正に隠していると当たりをつけます。リビング・ロボティクス社の社長、ラマー・バックバーンは、暴力で企業間のトラブルを解決するブラクストンに、リビング・ロボティクス社の不正を知る者の抹殺を依頼していました。

ブラクストンは社長宅で数人の部下とクリスチャンを待ち構えていましたが、クリスチャンは社長宅に侵入し、部下を次々と倒していきます。クリスチャン自身も負傷しますが、なんやかんやあり黒幕を撃ち殺し、ブラクストンとは再会を約束して別れます。

会計士としての仕事

会計事務所としての恒常業務

クリスチャンは普段、アメリカ、イリノイ州シカゴ近郊の田舎町で、会計事務所を経営しています。映画の冒頭で、農家の老夫婦が、経営状態が困窮しているとクリスチャンに相談に訪れます。

会計事務所といっても業務はさまざまであり、企業の経理業務を外注として引き受けたり、税務業務を代行したりと様々あります。また、小規模な会計事務所になれば、映画の農家のような個人や個人事業主などの税務相談を受けることもあります。

会計事務所と事業会社の最大の違いは、サービスの提供先です。事業会社であれば、自社の経理業務を行いますが、会計事務所は、自社以外の経理業務を行います。会計事務所の仕事はサービス業であり、近年では単価も下がっているため、1人で複数社のクライアント経理業務を担当します。

また、経理業務を担当する以外にも、顧問として企業の会計、財務、税務などの相談に乗るといった仕事もあります。

ACCAであれUSCPAであれ、会計士を名乗ることができれば、（国や地域は限られますが）個人の名前で会計事務所を開業することができます。

事業会社の経理は、自社のビジネスしか見ることはできませんが、会計事務所として複数社を担当すれば、様々な産業やセクターのビジネスを横断的に経験することができます。

外部からの依頼業務

クリスチャンは、リビング・ロボティクス社から使途不明金調査の依頼を受けました。通常、リビング・ロボティクス社ほどの企業が田舎の小規模会計事務所に調査を依頼することはまずありません。また、会計事務所としても、大企業の調査業務は膨大な人手と時間が必要なため、通常このような業務を受けることはありません。

しかしリビング・ロボティクス社の依頼は裏があり、またクリスチャンは数字の天才だったので、異例の業務を引き受けました。このように、経理業務などを請け負っていない企業から、第3者の目線での不正調査依頼や、内部統制、財務諸表のレビュー、事業再生や経営相談などを依頼されることがあります。

今では、そういった業務も主体的に取りに行かなければな等ないので、会計事務所も営業マーケティングが必要です。

また会計士といっても、会計や監査、経理だけできれば良いわけではありません。経営に直接関与するコンサルティングを行うこともあります。

日本の公認会計士は、良くも悪くも会計一直線ですが、ACCAやUSCPAの試験では、経営学や経済学、マネジメントまで試験範囲になっています。

クリスチャンのような会計士になるためには、試験に時間をかけるのではなく、ACCAやUSCPAを早急に取得して、実務的な経験値を積み上げていきましょう。

真の会計プロフェッショナル

会計士として会計や経理業務に精通しているということは、当たり前のことです。企業の「お金」に関わる仕事をする以上、企業の裏側を知ってしまうこともあります。

その「お金」がマフィアやテロリストなどの反社会組織に関わってることもあり、当然命を狙われることもありますし、陰謀に巻き込まれることもあります。

その時に自分自身を守ることができなければ、真の会計プロフェッショナルとは言えません。 知識や経験を積み上げるだけでなく、その知識や経験をいつでも、どのような状況でも発揮できるだけの体力や気力、忍耐力が必要になります。

会計や経済等だけでなく、体力、格闘、銃器の扱いなどにも精通できるよう、日頃からアンテナを張って、真の会計プロフェッショナルに必要な能力を養っていきましょう。

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