SWOT分析はACCA学習者が必ず押さえておくべきフレームワーク

swot

SWOT分析は、企業を取り巻く環境を、内部要因・外部要因及びプラス要因・マイナス要因から分析するフレームワークです。ACCA試験では、ポーターの5フォース、BCGマトリックス、製品ライフサイクルやPESTEL分析などと並んで登場する企業の環境分析フレームワークであり、受験生によって最も使われるフレームワークになります。

Mendelowマトリックスは、組織のステークホルダーをPowerとInterestの観点から評価・分析するためのツールで、Business and Technology(BT)Strategic Business Leader(SBL)Advanced Performance Management(APM)など、ACCAの全てのレベルの試験で登場します。

ここでは、SWOT分析の基本的な説明や使い方、ACCA試験で効果的に活用するポイントなどを説明します。

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SWOT分析とは

SWOT分析とは、自社の財務リソースや労働競争力、製品、価格、品質、ブランド力といった内部要因と、政治や法律、競合、経済環境などの外部環境などをプラス要因・マイナス要因に分解し、戦略などの意思決定や資源の有効活用のための分析をおこないます。

その内部要因や外部要因の頭文字をとってSWOT(スウォット)分析と呼ばれています。

  • Strength(強み)
  • Weakness(弱み)
  • Opportunity(機会)
  • Threat(脅威)
SWOT分析

SWOT分析の4要因

Strength(強み)
企業の戦略目標の達成に貢献する、企業が保有する財務的・人的資源、サービスなど
例:高い認知度、価格競争力、技術力、品質など

Weakness(弱み)
企業の戦略目標の達成の障害となる、企業が保有する財務的・人的資源、サービスなど
例:弱いインフラ、高い離職率、債務超過など

Opportunity(機会)
企業の戦略目標の達成に貢献する、市場の状況や法的要素などの企業外部の環境
例:高いGDP成長率、競合の撤退など

Threat(脅威)
企業の戦略目標の達成の障害となる、市場の状況や法的要素などの企業外部の環境
例:法改正による参入障壁の撤廃、長引く不況など

外部要因の分析

内部要因で分析する内容は外部要因の分析結果に影響されるため、SWOT分析は通常外部要因から行います。

外部要因分析では、政治や法律の動向、競合他社、市場、景気、事業に関連した法整備や景気、社会の動向を分析し、それが「機会」となるか「脅威」となるのかを分類していきます。

この外部要因の分析については、ポーターの5フォース分析やPESTEL分析が有効になりますが、ACCA試験のSkills Module以下の科目では、そこまでの分析は必要ありません。

試験のシナリオで与えられる状況(市場の成長性、競合他社、政治状況、法整備など)を自社に当てはめ、その上で次の内部要因の分析を行います。

内部要因の分析

次に内部要因の分析を行いますが、外部要因の分析結果や競合などの状況も考慮に入れて判断します。内部要因の分析では、自社資源の活用方法の見直し、製品やサービスの価格や品質などに関する分析を行います。

内部要因は主観的な強み・弱みではなく、他社と比較して差別化ができているかを分析する必要があります。マーケティング・ミックス分析は、内部要因の分析に有効です。

また、試験のシナリオで与えられる数値やデータを用いて分析することで、分析結果の説得力をあげることができます。

クロス分析でSWOT分析結果から戦略を策定する

外部要因及び内部要因の分析で、SWOTの各要因(強み・弱み・機会・脅威)を洗い出しましたが、要因だけでは何の分析にもなっていません。洗い出した要因から企業の戦略を策定する必要があります。

実際に戦略を策定していくために、4要因を項目を掛け合わせて分析していきます。

SWOTクロス分析


強み×機会
自社の強みを活かし、事業成長や利益最大化などの目標達成を目指すための市場機会を模索します。

強み×脅威
自社の強みを活かし、脅威を回避する、又は克服する戦略を立てます。自社に対する脅威も場合によっては機会になるので、脅威の回避だけでなく、機会の模索までできればなお有効です。

弱み×機会
自社の弱みを克服し、機会を活かす戦略を模索します。機会による事業成長や利益最大化などの目標達成のために、弱みをどう克服するかを考えます。

弱み×脅威
脅威に晒されている状況で、自社の弱みによる影響を最小限に抑える戦略を模索します。この領域では、場合によっては事業からの撤退も考えられます。

ACCA試験でのポイント

ACCA試験で、企業の競争力や戦略の分析や、ある環境の中での目標達成などといった問題が出題された場合、SWOT分析が最もよく使用されます。

SBLやAPMといったACCAの専門科目の試験においては、そういった問題に対してSWOT分析はある程度有効であり、必ず点数は取ることができます。しかし、SWOT分析単体ではなく、5フォース分析やPESTOL分析、マーケティング・ミックス分析などを組み合わせることで、より高得点を狙うことができます。

それでも、SWOT分析はACCA試験を通して最もよく使われるフレームワークの一つなので、必ず使いこなせるようになりましょう。

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